人気ゲーム『FF10』が、2023年春に「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」として上演されることが決定しました。企画・演出は、歌舞伎俳優として活躍している尾上菊之助(おのえきくのすけ)さんです。近年では「カムカムエヴリバディ」にも出演するなど、活躍の幅を広げている歌舞伎俳優さんですよね。
今回は、そんな尾上菊之助さんがどんな方なのか、詳しく見ていきたいと思います。
尾上菊之助とはどんな人物?
尾上菊之助さんは、可憐な美貌と清潔な色気で女方から二枚目までを魅力的に演じる、歌舞伎界をけん引する俳優です。また歌舞伎以外にも、大河ドラマ「西郷どん」や連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」のキャストとして出演するなど、多岐に渡って活躍しており、その人気は年を追うごとに増しています。
尾上菊之助の経歴【歌舞伎俳優編】
尾上菊之助さんは、1977年8月1日に東京都の歌舞伎一家に生まれます。
6歳の時に六代目尾上丑之助を襲名し、歌舞伎座『絵本牛若丸』の牛若丸として初舞台に上がりました。
1996年には、五代目尾上菊之助を襲名します。襲名公演では、歌舞伎座『弁天娘女男白浪』の弁天小僧などを演じました。
2005年には演出に蜷川幸雄を迎え、シェイクスピアの戯曲「十二夜」と歌舞伎の融合を企画した『NINAGAWA 十二夜』の公演を成功させます。尾上菊之助さんは、本作品で演出・主演・脚本・舞台美術など様々な賞を受賞しました。
その後は『極付印度伝マハーバーラタ戦記』『風の谷のナウシカ』などの新作歌舞伎を企画し、歌舞伎に新しい風を吹き込みました。
新作歌舞伎とは?
新作歌舞伎とは、歌舞伎作品中の一分野であり、主に第二次世界大戦後に創られた作品のものを指します。新作なのに古典的な技法を使って演出したり、過去の作品を現代に合わせて改めて構想し直したり、絵本やアニメを原作にしたものもあります。
尾上菊之助の経歴【俳優編】
尾上菊之助さんは、俳優としても活躍しています。大河ドラマ「西郷どん」では、月照という住職を、連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」では“モモケン”こと桃山剣之介の初代と二代目を演じました。他にも様々な作品に出演しており、俳優としての演技の幅広さにも目を見張るものがあります。
尾上菊之助さんの家族構成は?
ここからは、尾上菊之助さんのプライベートについてみていきましょう。
尾上菊之助さんは歌舞伎一門の出身なのですが、そこには意外な人物が多く、興味を深いと思われる方もいると思います。
尾上菊之助の歌舞伎一門「音羽屋」
歌舞伎の世界には、約30の一門があり、尾上菊之助さんは、歌舞伎の有名な一門「音羽屋」で生まれました。現在の音羽屋は、七代目・尾上菊五郎さんとその息子である尾上菊之助さんが宗家となっています。
尾上菊之助の家族構成
尾上菊之助さんは、有名な歌舞伎の一門ということで親類も有名人が多くいます。
- 祖父:七代目・尾上梅幸
- 父:七代目・尾上菊五郎
- 母:女優・富司純子
- 姉:女優・寺島しのぶ
- 妻:瓔子
- 長男:和史(七代目 尾上丑之助)
- 長女:知世
- 次女:新
尾上菊之助さんは、2013年2月に二代目中村吉右衛門の四女・瓔子さんと結婚。11月28日に、長男・和史さんが誕生しました。2015年7月14日には、長女・知世さんが、2017年9月4日には、次女・新さんが誕生しました。
長男・和史さんは2019年5月、歌舞伎座『絵本牛若丸』の源牛若丸で、七代目尾上丑之助を襲名し、初舞台を踏みました。
また尾上菊之助さんのお姉さんで演技派として有名な寺島しのぶさんは、フランス人の夫がおり、長男・眞秀さんは、歌舞伎界初のハーフ役者となります。
まとめ
今回は「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」でも注目を集める、尾上菊之助さんについてご紹介してきました。400年以上続く歌舞伎の歴史を受け継ぎ、新しい形で作り上げていく様は、まさしく歌舞伎の「粋」を体現していると感じました。今後の活躍にも、注目していきたいと思います。